裁判が起こっていても自己破産はできるのか?

裁判が起こっていても自己破産はできるのか?

借金が増えすぎてどうにも返済ができなくなってしまったら、自己破産によって解決する方法が効果的です。

 

しかし、借金の支払いを滞納し続けていると、債権者から裁判を起こされてしまうケースがあります。

 

裁判を放置していると判決が出ていることもありますが、このように、裁判が起こっていても自己破産によって借金をなくしてもらうことができるのでしょうか?

 

今回は、裁判をされていても、自己破産することができるのか、解説します。

 

借金を放置すると裁判が起こる

そもそもどうして裁判が起こるのか?

借金が多くなりすぎると、返済ができなくなって支払うのを諦めてしまい、放置することがあります。

 

このように借金を放置していると、債権者から裁判をされる可能性があります。

 

そもそも、借金を放置しているとどうして裁判を起こされるのでしょうか?また、裁判が起こるとどのような影響があるのかも知っておく必要があります。

 

まず、借金を返済しないということは、借金返済の約束を破ることを意味します。

 

消費者金融やカードローンなどで借金をするとき、債務者は、債権者に対し「必ず返します」という約束をしています。

 

このような約束があるからこそ、債権者も信用してお金を貸しているのです。ところが、債務者が支払いをしないということは、この約束を破ることです。

 

約束を破られたら、債権者は債務者に対し、約束通り支払いをするように請求します。これが、電話や郵便による督促行為です。

 

ところが、債務者がこれらの督促も無視して支払わないことがあります。そうなると、債権者としては、法的に支払いを強制するしかなくなります。その手段が裁判です。

 

 

判決の内容はどうなっているの?

借金を放置していて起こる裁判は、債権者による「貸金返還訴訟」という借金取り立てのための裁判です。

 

そこで、この裁判で判決が出るときには、裁判所から、「金〇〇円を支払え」という支払い命令の判決が下されます。

 

このとき、借金の分割払いは認められず、残金一括払いとなります。

 

また、元本だけではなく、利息や支払い日までの遅延損害金も一緒に支払うように命令されてしまいます。

 

 

判決が出て放置していると強制執行される

借金請求の裁判で支払い命令が出ても、通常は支払いができません。

 

判決を無視するしかない場合も多いですが、判決を放置していると、どのような問題があるのでしょうか?

 

この場合、債権者から財産を強制執行されてしまうおそれが高いです。強制執行というのはいわゆる差押えのことです。

 

判決がでると、債権者はその判決書をもって、債務者の財産の差押をすることができるからです。

 

差押えの対象になる財産は、預貯金や生命保険、現金や不動産、車などのあらゆる資産です。

 

また、給料も差押えの対象になるので、債権者に職場を知られている場合には、給料差押えが行われる可能性が高いです。

 

差押えが起こってしまったら、債務者はまともに生活していくことすら非常に難しくなります。

 

 

裁判をされても自己破産できる

借金返済ができなくなった場合には、自己破産をすると、借金支払い義務を0にしてもらうことができることが知られています。

 

確かに、通常の状態なら、自己破産によって借金をなくしてもらうことができますが、

 

返済をせずに無視し続けていて裁判が起こってしまったケースにおいても、自己破産して借金を0にすることなど出来るのでしょうか?

 

実は、自己破産は裁判が起こっていても手続きすることができます。

 

裁判中にも自己破産ができますし、裁判が終わって判決が出ていても、自己破産によって借金を0にしてもらうことができます。

 

裁判所から自宅宛に判決書が届いて、「金〇〇円を支払え」という裁判所の命令が下っている状態であっても、

 

その後自己破産をしたら、裁判所による支払い命令を守らなくて良くなる、ということです。

 

自己破産は、破産手続開始決定前に発生した債務の支払い義務をすべて0にする効果があるからです。

 

破産手続開始前に発生した債務でありさえすれば、それについて裁判が起こっていようとも判決が出ていても、すべて0にしてくれるので、大変強力な効果があります。

 

 

差押えが起こっていても自己破産できる

それでは、判決が出ているだけではなく、差押えが起こっているケースでも、自己破産によって借金をなくすことができるのでしょうか?

 

これについても、答えはイエスです。

 

自己破産をすると、破産手続開始決定前に発生した債務をすべて0にすることができますが、それは、強制執行のもととなった債務でも同じことです。

 

そこで、給料や預貯金などの差押えが行われていても、自己破産によってそのもととなる借金をなくすことができます。

 

 

自己破産には差押えを止める力がある

自己破産をすると強制執行のもととなる借金をなくすことができますが、そうだとしても、強制執行の効力自体はどうなるのかが問題です。

 

給料の差押えなどが起こっているケースで自己破産をすると、給料の差し押さえ手続は止まって給料を全額受け取れるようになるのでしょうか?

 

これについては、自己破産の手続きの種類によって異なります。

 

まず、財産がない(ほとんどない)人のための簡易な手続きである同時廃止の場合を見てみましょう。

 

この場合には、破産手続開始決定とともに、強制執行が一時停止します。

 

そこで、給料の差押えは止まりますが、給料は毎月勤務先の会社にプールされる形になります。

 

そして、破産手続きが進んで免責が下りたら、その時点でプールされた給料がまとめて返還される形になります。

 

これに対し、財産をある程度持っている人が自己破産する場合に選択される「管財事件」では、取扱が少し異なります。

 

この場合、破産手続開始決定とともに強制執行が執行するので、給料は会社にプールされることなく、全額が債務者へと支払われることになります。

 

このように、同時廃止の場合でも管財事件の場合でも、どちらにしても自己破産によって強制執行は止まりますが、

 

同時廃止の場合にはすぐに給料を全額受け取ることができないのに対し、管財事件の場合にはすぐに給料を全額受け取ることができるという点が大きく異なります。

 

 

裁判を起こされる前に自己破産をする方がベター

以上のように、借金を返済せずに放置していて裁判をされていても、自己破産によって借金を0にすることができます。

 

裁判所から支払い命令の判決が出ていても自己破産ができますし、給料などの強制執行が起こっているときに自己破産をすると、強制執行を止める効力もあります。

 

このように、自己破産は、借金問題解決のために非常に大きな効果を持っていることが明らかです。

 

ただ、実際には判決が出てしまったり、預貯金や給料の差押えが起こってしまったりしてから自己破産をするより、

 

それより早い段階で自己破産しておく方が、メリットがあります。

 

特に給料差押えが起こってしまうと、月々の給料の4分の1以上程度の金額を債権者にとられてしまうので、生活に対する影響も大きいです。

 

家族がいる人の場合、借金を放置していたせいで家族に迷惑をかけることになりますし、家族不和の原因にもなります。

 

また、家族に借金を秘密にしている人も多いですが、借金を放置していて債権者から裁判をされたら、家族に借金がバレてしまう可能性も高いです。

 

そこで、借金返済が苦しいと感じたら、支払いが出来なくなる前に自己破産などの債務整理を検討すべきです。

 

もちろん、裁判が起こったり強制執行をされたりしている場合には、一刻も早く自己破産をした方が良いですが、

 

それ以前の段階でも、早めに対処するに越したことはありません。

 

債務整理にはいろいろな種類のものがあるので、早期に対処したら、自己破産以外の選択肢を選べる可能性もあります。

 

今、借金返済が苦しくなって来ていると感じているなら、一度早めに債務整理に強い弁護士に相談することをおすすめします。

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