給料の強制執行がある場合に自己破産で止められる?

給料の強制執行がある場合に自己破産で止められる?

消費者金融やクレジットカードなど、借金がかさんでくると、支払いが出来なくなることがあります。

 

借金の支払いをせずに放置していると、給料などの差押えが起こってしまうことがありますが、債務整理によって給料の差押えを止めることができるのでしょうか?

 

今回は、借金返済を滞納して給料の差押えが起こった場合に自己破産手続きを利用して止める方法についてご説明します。

 

 

借金返済を滞納すると、給料が差し押さえられる!

サラ金やカードローンなどの借金がかさんでくると、返済ができなくなることが多いです。

 

このような場合、支払いをせずに長期間放置してしまいがちですが、借金を返済しないで放っておくと、どのような問題があるのでしょうか?

 

この場合、まずは債権者から電話や葉書などによって督促が行われます。これも無視して放置していると、今度は債権者から内容証明郵便によって一括請求書が送られてきます。

 

一括請求が行われても支払いができないで放っておくと、債権者から裁判を起こされてしまいます。

 

裁判で判決が出ると、サラ金などの債権者から強制執行が行われます。

 

強制執行の対象になるのは、債務者名義のすべての財産なので、預貯金や生命保険、不動産などがすべて差し押さえられてしまうおそれがありますし、給料も強制執行の対象になるので、毎月の給与やボーナスが差し押さえられてしまいます。

 

この場合、全額ではなく多くのケースで手取り額の4分の1になりますが、それでもお金に余裕のない債務者にとっては大きな影響があります。

 

給料が差し押さえられた状態が続くと、まともに生活していくことが厳しくなるので、早めに債務整理によって解決する必要があります。

 

 

自己破産手続きが開始すると、給料差押えが止まる

借金を滞納して給料の差押えが起こってしまった場合、債務整理をする必要がありますが、このとき利用する債務整理の種類に注意が必要です。

 

債務整理には、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4種類がありますが、給与差し押さえを止める効果があるのは個人再生と自己破産のみです。

 

任意整理や特定調停をしても、給与差し押さえを止める効果はないので、給与差し押さえを止めたいなら、これらの手続きの利用はお勧めできません。

 

自己破産をすると、数日中に手続き開始決定が出ますが、自己破産で手続き開始決定がおりると、給与差し押さえの手続きが止まります。

 

ただ、給与をすぐに受けとることができるかどうかについては、選択される自己破産手続によって異なるので、以下ではわけて解説します。

 

 

同時廃止の場合

自己破産手続には、同時廃止と管財事件という2種類の手続きがあります。同時廃止とは、財産がほとんどない人のための簡易な破産手続です。

 

同時廃止の場合には、破産手続開始決定とともに給与差し押さえが中止します。ただ、この場合、すぐに給与を受け取れるようになるわけではありません。

 

いったん中止しているだけなので、差押えをされている分については(手取り額の4分の1または33万円を超える額)、会社にプールされ続けます。

 

そして、自己破産手続きが終了したときに、プールされた給与をまとめて受け取ることができます。

 

同時廃止の場合に、手続き開始決定後すぐに給料を受けとりたい場合には、裁判所に対して別途「強制執行取消の申立」をして、取消を認めてもらう必要があります。

 

強制執行が取り消されたら、単なる中止ではなくなり会社が差押え対象の給与をプールしておく根拠も必要もなくなるので、給料が全額支給されるようになります。

 

ただ、強制執行の取消申立は、常に認められるものではありません。給料を全額受け取らないと緊急の支障があるケースなどに限られます。

 

また、破産手続開始決定があった場合や強制執行取消決定があった場合、そのことを執行裁判所に上申しなければなりません。

 

執行裁判所とは、給料の差押えを決定した裁判所のことです。

 

破産の裁判所と強制執行の裁判所は別になっているので、破産裁判所で手続き開始決定や強制執行取消決定があっても、

 

債務者が自分で執行裁判所にそのことを知らせないと、自然には強制執行を中止してもらったり取り消してもらったりすることができないのです。

 

以上が、自己破産の同時廃止の場合の給与差し押さえの取扱方法です。

 

 

管財事件の場合

次に、管財事件のケースを見てみましょう。

 

自己破産の管財事件とは、破産者にある程度の財産がある場合の複雑な破産手続のことで、破産者の財産を換価して債権者に配当するための破産管財人が選任されます。

 

管財事件の場合には、破産申立があって破産手続開始決定があると、同時に強制執行は失効します。

 

そこで、給与差し押さえの効力がなくなって、給料をすぐに全額受け取れるようになります。

 

同時廃止のような中止手続きとは異なり、会社に給料の一部がプールされることはありませんし、わざわざ裁判所に強制執行取消の申立をする必要もありません。

 

この場合でも、執行裁判所に対して破産手続開始決定があったことの上申をしなければなりませんが、

 

その手続も破産管財人がしてくれるので、破産者自身がとくに何かをしなければならない、ということはありません。

 

このように、管財事件になると、放っておいても給料をすぐに全額受け取れるようになるので、メリットが大きいです。

 

 

自己破産手続が開始すると、給料差押えができなくなる

すでに給料差押えが起こってしまった場合には、自己破産手続を利用すると強制執行を中止したり取り消してもらったりすることができるので、非常に効果的な対抗手段になります。

 

さらに、自己破産は、すでに強制執行が起こっているケースだけではなく、これから強制執行が起こりそうなケースでも非常に役に立ちます。

 

借金返済を滞納していると、債権者から内容証明郵便が送られてきて「支払をしないなら裁判をして強制執行をします」と宣言されることがあります。

 

実際に裁判を起こされて、まもなく給料の差押えが起こりそうだというケースもあります。

 

この場合、放っておくと債権者から本当に給与差し押さえをされてしまうおそれがあります。

 

いったん給与差し押さえが起こってしまうと、手取りの4分の1ずつの給料が債権者にわたってしまう上、会社にも給与差し押さえのことを知られてしまうので、不利益が大きいです。

 

そこで、債権者が実際に給与差し押さえに及ぶ前に、事前に差押えを食い止める手段を検討する必要があります。

 

ここで利用できるのが自己破産手続です。自己破産を申し立てて手続き開始決定があると、新たに強制執行を申し立てることができなくなります。

 

よって、給与差し押さえが起こりそうな場合には、早めに自己破産をすると、強制執行を予防することができて、非常に効果的な対策となります。

 

 

早めに準備を進めることが重要

自己破産によって強制執行を止めることができる効果は、手続き開始決定によるものです。

 

ただ、自己破産をしようと思っても、すぐに手続き開始決定が出るわけではありません。

 

一般的には、まず弁護士などに相談に行き、必要書類を集めてからの申し立てになるので、1ヶ月以上かかってしまうのが標準的です。

 

そこで、給与差し押さえが起こっている場合はもちろんのこと、今後給与差し押さえが起こりそうなケースでも、とにかく早めに手続きに着手して準備を進めることが大切です。

 

給料は毎月支払われるものなので、早く申し立てて1月分でも早くこちらに取りもどすことにメリットがあります。

 

今、借金返済を滞納していて給料の差押えを受けていたり、今後給与差し押さえを受けそうだったりする場合には、ともかく早めに一度、弁護士に自己破産などの相談に行くことをおすすめします。

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