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声 は 人 な り
志村正順さん(昭11 政経)野球殿堂入り
 
                   岩池正暢(昭29 法)
 
 平成17年7月22日(金)、インボイス西武球場で行われたプロ野球オールスター第一戦が五回を終了したところで試合を一時中断して、今年晴れて野球殿堂入りする三氏の表彰セレモニーがダイヤモンドをステージに挙行され
た。
 お元気に話す志村正順さん
 セ・パ両チームのスター全員が整列して迎える中、競技者表彰では「マサカリ投法」で215勝を挙げた元ロッテの村田兆治さん。次いで元ジャイアンツの捕手として九連覇を支え、後に西武ライオンズの監督として六度の日本一に輝いた森祇晶さん。そして殿りを飾る特別表彰には元NHKアナウンサー志村正順さんの三氏が登場する。特に志村さんはアナウンサーとしては初めての快挙である。
 アマ・プロを含めて、日本の野球が今日これほどまでに隆盛を遂げた蔭には、ラジオ・TVの実況中継が与って大きな貢献をしてきたことは誰しもが認めるところである。就中、志村さんの庶民的な語り口で、臨場感溢れる即時描写を駆使した数々の実況、名調子に魅了されて野球を知りフアンに育った老若男女の数は極めて多い。
  また、実況の幅を広げ奥行きを深めるアイデアとして、キャリア豊な解説者を登用、自ら「小西節」と称した小西得郎さん(大8 商)とのユニークなコンビを組んでの放送は一世を風靡した。これらの直接、間接の功績やエピソードについては、既に多くの書物で知られているところなので、これ以上は割愛させていただく。
 志村さんは入場時こそ喜美江夫人の介添えと車椅子を要したが、『殿堂入りおめでとう』『永年の興奮と感動をありがとう』そんな言葉を拍手に代えた大観衆に元気付けられたのか、後方から支えられこそしたが、背筋を伸ばして立ち上がり手を挙げてこれに応えた。その姿は91歳の年齢や、昨年暮れには入院生活だったことが嘘のように、往年のダンディな志村さんが満面に笑みを湛えて、職人気質の面目躍如たる態度であった。
  志村さんが好んで揮毫する書に「声は人なり」の自ら作った一句がある。声は心を映し、言葉は声で生きる。声と言葉はアナウンサーにとって命である。だが残念なことに、昨今は映像の時代にかまけて両方共に乱れ、衰退しつつある。無神経な言葉を訓練しない声に乗せても誰も感動はしない。志村さんのようなプロのアナウンサーが少なくなったということであろう。

     平成17年7月 撮影

 記述を挙式に戻す。
 財団法人野球体育博物館の根来泰周理事長の挨拶の後、各々にレリーフ(銅版胸像額)のレプリカが贈呈され、先に殿堂入りした関根潤三さんから花束が贈られると、志村さんは場内大観衆から寄せられる引きも切らぬ拍手に何度も手を振って応えた。
  その雄姿からは、マイク職人を貫いて、権力に阿らず、媚びず、重責を果たして完全燃焼する「漢」志村の本懐が見てとれた。
  志村さんは藤沢市片瀬にお住まいであり、個人的にも多少お近付きを頂いている。このご慶事は同窓の後輩である筆者にとっても大変嬉しいことであった。最後に、志村先輩に畏れ多くも戯文を捧げる不遜をお許しいただきたい。
 
     理屈は抜きの機関銃
     読む原稿は持たぬ主義
     さも芝の場に居るように
     マイク一途の描写力
     ラジオが生んだ名アナも
     昔に読んだ講談で
     仕込んだ語彙が今に活き

 (平成17年8月31日『明大ふじさわ会報』第8号より)

 


『勇 者(ますらお) 明 治 の 歌』 に つ い て

 明治大学の応援歌の一つである『勇者(ますらお)明治の歌』の作詞者岩池 清は、我らが校友岩池正暢氏の旧名である。
 昭和28年、明治大学応援団が応援歌を募集していた。入選作の懸賞金は五千円であった。三千円あれば一ケ月の生活費が賄えたという当時では大変な額である。富山県から上京し、法曹家を目指す苦学生であった大学4年生の岩池氏はこれに応募し、見事入選、高額の懸賞金を獲得した。作曲は応援団マネージャーの森田富弥雄氏であった。今も神宮の杜に行くと、後輩の歌う『勇者(ますらお)明治の歌』を聴くことができる。

勇 者(ますらお) 明 治 の 歌

                     作詞  岩池   清
                     作曲  森田富弥雄
  
    一、 大地を蹴立てゝ今ここに立つ
        猛き精鋭 陸の覇者
        進めや進め敵蹴破りて
        行先(ゆくて)輝く 栄冠の下
        大学明治の勇者(ますらお)知るや
  
    二、 振う紫紺に雄叫(おたけび)高く
        闘う精鋭 陸の覇者
        前途を拒む影すらも無く
        豪気堂々 陣頭を行く
        大学明治の勇者(ますらお)知るや
  
    三、 母校明治の伝統の下
        誉れの精鋭 陸の覇者
        制覇の重任今果たし得て
        雙手(もろて)高々 凱歌を歌う
        大学明治の勇者(ますらお)知るや

(文責 ホームページ委員会  三田 勉)

  
  
  
  
  
    
 

 
 
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